【おすすめ Laplacian】【ブラウザ対応】白昼夢の青写真 感想

8月 1, 2021

白昼夢の青写真

人類は同じ夢を見るようになった。

ある晩は、女生徒と教師の不倫の物語であり――

ある晩は、劇作家と女優の身分を超えた恋物語――

またある晩は、不登校の少年と教育実習生の淡い初恋――

3種類の夢を、人類は繰り返し見るようになった。

何故、全人類が同じ夢を見つづけるのか。

これは、世界と呼ばれた一人の少女の物語。

引用元

カテゴリーメーカープレイ時間価格評点
シナリオゲーLaplacian19時間7800円95

※価格は変動する可能性が有りますので各自で確認の方をお願いします。

主な登場人物

CASE-1 ヒロイン
波多野 凛(はたの りん)

柊英学園付属に通う文学少女。
小説家である父・波多野秋房との父子家庭で育った。その父もすでに他界。今は父の印税で生活している。

CASE-1 主人公
有島 芳(ありしま かおる)

柊英学園付属の非常勤講師。古文担当。四十五才、既婚者、非童貞。伸びきったゴムのように弾力がない毎日を送っている。

CASE-2 ヒロイン
オリヴィア・ベリー

テンブリッジの貴族。一族は落ち目であり、オリヴィアの政略結婚に一族の存続がかかっている。
演劇を愛していて、自身がパトロンとなっている一座の座長を男装して務めている。勝ち気で、男勝りで、酒に強い。

CASE-2 主人公
ウィリアム・シェイクスピア

盲目の父と二人で酒場を営んでいる青年。童貞。
完全記憶の持ち主で、酒場を訪れる旅人、商人、芸者の話を全て覚えている。
儲かっていない店のために、テンブリッジの劇団に脚本を売ったことが数回あり、評判は上々だった。

CASE-3 ヒロイン
桃ノ内 すもも

鳴山公空学園付属の教育実習生。 物事を深く考えず、その場がよければそれでよし、という生き方をしている。
元カレは両手でギリギリ数えられる人数。少なくはないが多くもないと本人は思っている。流されるままに教育実習を受け、主人公のクラスに配属された。

CASE-3 主人公
飴井 カンナ

鳴山公空学園付属の二年生で不登校児。ガソリンエンジンを積んだ旧式のSUVが宝物。
父と顔を合わせたくないため、自宅のガレージで生活している。

プレイ時間

プレイ時間は19時間でした。CASE1~3は各3.5時間CASE0が8.5時間です。
物語の先が気になり集中して読み進めたため普段より読むペースが速くなっており、それを加味すると21~23時間になると思います。

感想等

結論から言わせていただくと、とても面白かったです間違いなく2020年1番のシナリオゲーだと推薦できます

細かいジャンルを言えば泣きゲーに分類されると思いますが、物語はハッピーエンドなので、泣きゲーでたまにあるヒロインとの別離が苦手という方も大丈夫だと思います

ちなみにこのゲームは進行方法が独特でCASEが0,1,2,3と別れていてCASE1~3は短編のような作りになっています。さらにそのCASE1~3が前半と後半に分かれていて、CASE1~3の前半が終わらないとCASE1~3の後半が読めないためプレイするならまとまった時間を確保してからプレイすることをおすすめします

分かりやすく説明すると
CASE1~3の前半(順序はランダム)→CASE1~3の後半(順序選択可能)→CASE0という作りになっています。

ここからはCASE1~3の感想を語ろうと思います。CASE0に関しては多大なネタバレに繋がるので省かせていただきます。

CASE1

CASE1は、小説家を夢見ていた非常勤講師の中年男性と勤務先にいる少女とのお話です。
美少女ゲームでは珍しい中年男性がCASE1では主人公で、年齢は45歳と驚きでしたが内容はとても面白くCASE1~3の中では一番夢中になりました

主人公は小説家を目指していた大学時代に波多野秋房という先輩に出会い、隔絶された実力を見せつけられ夢を諦めてしまいました。大学時代に出会った妻には蔑みの眼を向けられつつも何も変わらない日々を過ごしていました。

そんなある日、大学時代のゼミの教授が亡くなり告別式で勤務先にいる少女を見つけます。その少女の名前は波多野凛、かつて主人公が夢を諦める原因となった波多野秋房の娘でした。

波多野凛と告別式で出会ったことをきっかけに主人公と会話するようになり「あなたの文章を読みたい」と言われ再び筆を取るようになります。そしてここから大きく物語が動き始めます。

再び筆を取り始めた主人公に対しただでさえ険悪な関係だった妻との仲が悪化していくにつれ、次第に大きくなる凛の存在。歪だった秋房と凛の関係等、様々な問題が次々と表面化していきます。

このような物語であるため雰囲気を暗く感じることがとても多いです。再び筆を取り活力を取り戻したと思っても、ふとしたことで削がれていき停滞感に囚われそうになったり、そんな中でも一筋の希望が見えたり等先が気になる作りになっています。

似たようなゲームが思いつかないので一般的な例えになってしまいますが昼ドラの美少女ゲーム版と例えるのが近いのかと思います。

CASE1をプレイしている時は多くの場面で停滞、退廃を感じつつも時折見える希望を焦燥に駆られつつも追っていくそんな気持ちにさせられました。人によって好き嫌いがハッキリと別れそうと感じましたが、自分は普段このような作品は見ないので、目新しさもありとても面白かったです。

CASE2

CASE2は盲目の父と共に酒場を営む青年と貴族の女性との物語です。
青年の名前はウィリアム・シェイクスピア、貴族の女性はオリヴィア・ベリーという名前です。

この手のゲームでは珍しく偉人がベースなのに女性化はしてませんね(それどころかCASE2の主人公)。あくまでベースにしただけなので生い立ちや生活環境等、違っている所が多々あるみたいです。

そんな主人公ですが、経営の厳しい店のため、聞いた話を全て覚えることができるという特技を活用し劇団に脚本を数回売ったりし経営の足しにしていました。経営の足しにしても生活が厳しく、盲目の父も食事を取ることができず日に日に弱っていきました。

そんな父が久しぶりに食べることができた物が鹿肉。ですが主人公の時代は鹿肉が高級食品なので買うことが出来ないため貴族の庭に忍びこみ盗むことを決心します。実行に移したはよいもののあっさりと捕まってしまい家主のスペンサーに処刑されかけているところをCASE2のヒロイン、オリヴィア・ベリーに奴隷の立場として身請けすることを申し出されることになります。

オリヴィアが助けた理由は主人公の脚本を購入したことがあり、脚本家としての才能を見込んでのことでした。ここから主人公はオリヴィアが座長をしているオリヴィア一座の脚本家として歩んでいくというストーリーになってます。

CASE2は社会からの抑圧を強く感じる物語だと感じました。一座の役者は男性にしか許されず、宗教も国が認めたもの以外は罰せられるなど、自由とは程遠い世界だなと。そんな世界の中で現状に納得が出来ないからこそ自分の想いを貫こうとするのがオリヴィア想いがありつつも行動に移せない主人公良い対比が出来ているなと思いました。

始めは甘い所が目立つ主人公でしたが、オリヴィアに影響され成長していく過程が上手く表現されていると感じました。最初は支えられるだけという印象だった主人公も後半になるに連れてヒロインと共に支えあっている関係に変化していき主人公の成長を大きく感じることができました。それとオリヴィア一座は個性が強いキャラが多く登場しているため掛け合いも面白くシリアスな場面が多いCASE2にとって良い清涼剤になっていたと思います。というか個性が強いキャラしかいなかったです。

CASE3

CASE3は一夏の出会いと別れの物語です。

主人公の飴井カンナは、ある目的のため不登校となりガレージにこもって動かすことが出来なくなったキャンピングカーと共に生活をしていました。主人公はキャンピングカーを修理してもらうため、自称スクラップハンターの松風梓姫に依頼しましたが、修理は出来ないと言われるも諦めきれず他の方法を模索していました。

そんな生活をしていると教育実習生の桃ノ内すももがガレージに訪れます。カンナに登校してもらうためすももはガレージに訪れたのですが、カンナは取り合うこともせずに追い返します。

その夜カンナはキャンピングカーの中で寝ていたのですが、目を覚ますと何故かすももが傍にいてさらには車が動いている状態。車が盗まれていることに気付きます。

車が停止した後に外を見るとスクラップハンターの松風梓姫が犯人であることが判明し、車を取り戻すため梓姫の目を盗み運転するも暴走させてしまいます。暴走させた際の無免許運転、梓姫の住居とバイクを壊してしまったことを盾にガレージにかくまうことを要求してきました。

またそれを目撃していたすももはカンナに対し学校に来ないと誰かに話してしまうかもしれないと言われ3人が行動を共にする夏が始まるというストーリーです。ちなみにヒロインはすももです。

CASE3は甘酸っぱい恋愛青春物語でした。CASE1とCASE2はシリアスな場面が多くを占めていましたがCASE3は逆で明るい雰囲気が多くを占めています。同じ作品とは思えないほど作風が変わり、シリアス続きの後にプレイすると良い気分転換になり一層楽しめるかと思います。

明るい雰囲気で進行するためギャグのパートも多くあり、中でもすももと梓姫の掛け合いがとても面白かったです。大きな要因はすももと梓姫の声優の上手さだと思います。声の強弱の付け方やテンポ、それと何よりも笑いを誘うような声の質と言えば良いのでしょうか。よくよく内容を考えたら笑うようなことでも無いのに笑うことはあると思います。例として挙げるならば大学時代の雰囲気やノリを生み出す声が出ていると感じました。

他の良いと思った点は、すももが主人公に惹かれていく過程が分かりやすく、丁寧に描写されていたことですね。最初は年上の女性として年下の庇護すべき対象として主人公を見ていたのに気付けば一人の異性として見ていたり、それに合わせる形で主人公も成長していくので惚れるのも納得できました。

後はこのCGの場面がとても強く印象に残っています。綺麗なCGと力を入れた演出とテキスト、この場面は是非見ていただきたいです。

まとめ

CGも綺麗でシナリオも優秀、ボイスも良くて楽曲も文句なしと大変楽しめたゲームです。さらにCASE0,1,2,3それぞれにOPがあり、使われているヴォーカル曲はなんと9曲もあります。特に良いと思った曲は「恋するキリギリス」「クラムボン」です。恋するキリギリスはCASE2のop曲、クラムボンはCASE1のop曲です。

先ほど紹介した2つのop曲は公式がyoutubeで配信しています。下に埋め込むので見て頂けたら幸いです。


他のCASE0と2のopもyoutubeに上がっているので興味があれば調べてみて下さい。また信じられない事にCOMPLETE SOUND COLLECTIONという全楽曲が収録されている動画も挙げられています。こちらはヴォーカル曲がFull verとなっています。