【おすすめ パープルソフトウェア】アマツツミ 感想

8月 1, 2021

アマツツミ

       言葉によって人を操ることができる"言霊"使いの一族の末裔、主人公・誠
      
          好奇心旺盛な誠は外の世界に興味を持ち隠れ里を飛び出すが、
      世事に疎く里以外での知識がないため、とある田舎町の路上で行き倒れてしまう。
   
              野垂れ死にを覚悟しかけた彼を救ったのは、
          その町にある喫茶店「折り紙」の看板娘・織部こころだった。
        
           "言霊"の力を使い、織部家の家族として居候を始める誠。

             その後、こころと共に始める学園生活の中で、
             それぞれの"想い"を抱える少女たちと出会う。

            誠の持つ"言霊"の力は彼女たちの力になれるのか?
               そして"言霊"のもつ本当の力とは?

                これは言葉が紡ぐ、絆の物語

引用元

カテゴリーメーカープレイ時間価格評点
シナリオゲーPurple software20時間7480円90

※価格は変動する可能性が有りますので各自で確認の方をお願いします。

主な登場人物

織部 こころ

母が営む喫茶店『折り紙』の看板娘。
面倒見がよく健気で素直な性格だが、料理の腕だけは壊滅的でやや天然気味。
“兄”となる主人公に心をときめかせてしまうちょっと危険な一面も……。

朝比奈 響子

主人公のクラスメイトであり、神社の娘。
霊感があり、いわゆる幽霊を見ることができるのだが、その影響で人と付き合うのに苦手意識がある。
転入してきた主人公をきっかけに、コミュ障を克服しようと目下奮闘中。

恋塚 愛

主人公とは同郷の幼馴染であり、許婚。
“言霊”一族の末裔で、その中でもかなり強い力を持っている。
主人公のことを非常に好いているが、根っこがSで主人公の困った顔がなによりの好物。

水無月 ほたる

表情豊かなムードメーカーで、誰とでも仲よくできるコミュ力の持ち主。
普段の言動から奔放な性格のようにみえるが、理性的な一面もあり主人公の相談役にもなってくれる。
彼女にだけは、なぜか“言霊”の力が通じない。

プレイ時間

プレイ時間は計20時間でした。1本道からの分岐で各個別ルートに進むようになっています。G線上の魔王と同じ構成といったほうが分かりやすいですかね。

感想等

良質なシナリオゲーを数多く輩出しているパープルソフトウェアさんから発売されたゲームです。近年の中では泣きゲーとして間違いなく頭一つ抜けている作品だと思います。

またシナリオが優れている他にも、op、挿入ムービーとCGの美麗さ肉感的で美しいHシーンのCGシステムの便利さも長所に挙げられる点だと思います。


挿入ムービーは多大なネタバレを含んでいるのでご注意下さい。

CGはMOREソフトさんと似たような感じといったら分かりやすいと思います。

システムの方はかなり特殊な作りとなっています。上部にアイコンボタンが12個付いているのですが、それをアイコンメニューにある項目と入れ替えられるようになっています。例えばですがクイックセーブを使うことがないので、強制スキップに入れ替える等、自分好みにカスタマイズできるようになっています。ゲームの進行を助ける良い方法だと思いました。

ここからは本編について語ろうと思います。
まず、本編は4章に別れていてそれぞれ1章ごとに、1人のヒロインに焦点が当てられています。

1章から順に、こころ→響子→愛→ほたるとなっています。
分かりやすいように章ごとの感想を述べさせていただきます。

1章 絆~穏やかな兄妹の時間~

物語は主人公(以降、誠と表記)が里から抜け出し、道端で倒れているところをこころに助けられる場面から始まります。誠が住んでいた里は電気が通っていなく学校もないくらい山奥にあり、その里に住んでいる住人は言葉によって人を操ることができる“言霊"使いの一族の末裔でした。

“言霊"使いということもあり里ではみだりに言葉を発しない、両親が他界していて一人暮らしをしていた等、幼馴染で許婚の愛とは交流があったもののコミュミケーションが少ない環境で暮らしてきました。

その境遇からか外に憧れていた誠は、胸の中からときおり聞こえる「いきなさい」という声に勇気付けられ里から抜け出すことを決意します。

こころに助けられた以降はこころの母、あずきが営む喫茶店『折り紙』でバイトしながら居候させて貰うのですが、あずきの長男が流産した話を聞いて、自分のことを兄だと認識させるようにしたり、学校に通うために言霊を使ったり等、ことあるごとに言霊を使用していましたね。

兄だと認識させるのはあずきさんに配慮したゆえに考え付いた結果なのですが、まあ常識や倫理が欠けているというか浮世離れしているところは、正に神様っぽいなとは思いましたね。

正に神様といった理由は作中で何度も出てくる「吾は悪事も一言、善事も一言、言い離つ神。」ということからですね。気になったので少し調べたのですが、元ネタとなった存在がいて古事記、日本書紀などにも登場している一言主が元になっているようでした。(作中でも響子が語っていたのですがゲームの中だけの存在、創作だと思ってました)誠や愛など里の人達はその末裔ということですね。故に言霊が使えると。

そんな誠ですが学校に通ったり、友達と交流したり、当初の目的であったコミュミケーションを介すことで常識を学んだり、里では体験できなかった、楽しさから笑ったり自分の心を育んでいく描写が多くありました。中でもほたるの影響を強く受けています。

それと同時に家族の温かさを知り、失うことに恐怖し、自由について考え、周りの様々な影響から悩んだりと人間味が出てきました。1章は家族の温かさから家族愛を知ると同時に、神から少しずつ人へと変化していく章だと言えると思います。

また、この章では誠の胸の中から聞こえる「いきなさい」という声の理由や、言霊の本質が語られる重要な賞でもありました。

ここからは1章のヒロインである、こころについての感想です。簡単に言うと善意の塊の明るい女の子といった印象ですね。会話の中で言葉の端々からこの子は良い子なんだなと感じることができます。年下ということもあり、甘えるのが上手で見ててほのぼのできる子でした。

それと普段は元気いっぱいな様子が多々見られますが、ふとしたことで照れたり、妄想が逞しかったりもします。また思わず守ってあげたくなるような庇護欲を掻き立てられる存在でもあったと思います。

作中であずきさんが命の危機が迫っている時、誠とあずきはこころには隠していたのですがそんな時に誠に言った台詞が印象に残っています。「兄さんやお母さんを安心させるために、わたしは、お母さんが死ぬことを、最後まで気づかないふりしてなきゃいけないの?」「わたし、そんなに馬鹿じゃないよ」と。

なんというか、非常に男心をくすぐられた台詞ですね。守ってあげなければいけないと強く感じた場面でした。
ちなみに今作のヒロインの中では一番可愛いと感じました。一番女の子していたと思います。

2章 声~私にだけ見える友達~

2章目は響子をメインとした章になっています。
響子は幽霊が見える体質、要は霊感があるのですが、誠の言霊の影響で10年前に死別した親友呼び出してしまい幽霊の形ではあるものの、再会を果たします。

また、鈴鹿を呼び出した影響で誠と響子に力の繋がりができ、10メートル以上離れられなくなり生活を響子と共にしていきます。その生活のなかで光一と響子のわだかまりを知り、解決したり、周囲から孤立していた立場を変えようとしたり今までの自分を変えようと行動しているところが目立ちました。

親友、鈴鹿の死を自分の責任と考え、命を分けて貰ったと思っている響子が、鈴鹿とどのような区切りをつけるのかに焦点を当てられたものですね。

そして1章で誠があずきさんにした行為を対比させられる章でもありました。

ちなみに、なぜかほたるも鈴鹿のことを認識出来ています。

3章 雪~冷たい夏~

3章は誠と同じく言霊を使うことができる、許婚の愛について焦点を当てたものになっています。

愛は幼い頃双子の姉、希を流行り病で亡くし死別しています。姉の死を看取った際に言霊の影響で愛の周りには常に雪が降っている状態になってしまい、そのことを愛は呪いと言っています。

この章は何故、愛が誠に対し固執するのかについてと言霊の危険性を再認識させられるものでした。

そして、それらを理解して誠がどのように行動を起こしていくのかが見所ですね。

4章 蛍~最後の1週間~

今作の最終章ですね。ヒロインは水無月ほたるです。そして今までの意味深な行動や発言をしていたほたるに対しての謎が明らかになるルートです。

この最終章はルートが2つ存在します。ほたるへの好意を自覚した誠が、ほたると関わっていく内に初めて怒りを感じた人物と出会い物語は一気に急転していきます。

最初に攻略するときは2つ目のルートにロックが掛かっており、強制的に1つ目のルートへ突入します。1つ目のルート攻略すると選択肢でのコマンドが増え新たなルートが解放されるという仕組みになってます。

ここからは1つ目のルートの感想です。
ほたるとの約束、「みんなの笑顔と幸せを守ってあげて」が残念ながら叶わなかったル-トです。ほたるの命は助かったものの、誠自身が…という感じです。

結果的にみるとバッドエンドといえるかも知れませんが、自分が一番涙腺に来たのがこのルートです。

特に感動したのが礼拝堂から花畑までの展開でした。花畑に蛍が舞う中、あの衣装と光、一枚絵が生み出した演出はとても幻想的で切なくも美しいシーンだったと思います。

そして題名のアマツツミの意味を回収しているルートでもありました。

次は2つ目のルートですね。
こちらはほたるとの約束、「みんなの笑顔と幸せを守ってあげて」願い通り叶えることが出来たルートですね。そして誠が愛する人たちと生きていくため、神ではなく人として生きていく決意をするルートでもありました。

怒りを感じた人物ともコミュニケーションを取り、理解を深めていく。そしてほたるとも協力してみんなで大団円を迎えるという展開です。作品名がアマツツミの名を冠しているので纏まり的には、1つ目のルートの方が適していると思いましたが、やっぱりハッピーエンドの方がいいなと感じてしまいました。

全体的に見るとルート毎の力の入れように大分差があったように感じましたが、泣きゲーとして見るならば仕方が無いことだとは思います。購入したのならばほたるルート、最後までプレイすることを強く勧めます。

あと思ったことが、地の文や台詞のセンスがとても優れていたということですね。感動的な場面にはかなりテキストに力を入れていたのではないかと思います。bgmやCGも相まって、とても幻想的で美しかったことを覚えています。